ふたばあおい (双葉葵) 

学名  Asarum caulescens
日本名  フタバアオイ
科名(日本名)  ウマノスズクサ科
  日本語別名  カモアオイ(賀茂葵)、モロハグサ、フタバグサ、カザシグサ、ヒカゲグサ、カタミグサ、モロカズラ、フタバサイシン
漢名  雙葉細辛(ソウヨウサイシン,shuāngyè xìxīn)
科名(漢名)  馬兜鈴(バトウレイ,mădōulíng)科
  漢語別名  短柱細辛
英名  
2013/03/17 薬用植物園 
2009/04/30 薬用植物園
2006/04/15 神代植物公園

2007/04/26 世良田東照宮(群馬県太田市)

2012/06/02 賀茂御祖(かもみおや)神社(下鴨神社) 

 和名をアオイ・漢名を葵(キ,kuí)という植物については、あおいを見よ。
 カンアオイ属 Asarum(細辛 xìxīn 屬)については、カンアオイ属を見よ。
 和名のふたばとは、二枚の葉が互生することから。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』9(1806)細辛の条に、「加茂あふひは古歌に モロハグサ フタバグサ カザシグサ ヒカゲグサ カタミグサ モロカヅラトモ云、是ハ双葉細辛ナリ」と。
 本州(中部以西)・四国・九州・陝甘・浙江・湖北・四川・貴州に分布。
 京都では北山などに自生し、賀茂神社・松尾大社の神事に用いられ、5月の賀茂神社の祭は葵祭と呼ばれる。
 『八代集』に、

   ゆきかへる やそうぢ人の 玉かづら かけてぞたのむ あふひてふ名を
     
(よみ人しらず「かものまつりの物見侍ける女の車にいひいれて侍ける」、
      
『後撰集』。「葵」と「逢ふ日」とをかける)
   ゆふだすき かけてもいふな あだ人の あふひてふなは みそぎにぞせし
     
(よみ人しらず「返し」、『後撰集』)
   あしひきの 山におふてふ もろかづら もろともにこそ いらまほしけれ
     
(よみ人しらず、『後撰集』) 

 清少納言『枕草子』第66段「草は」に、「あふひ(葵)、いとをかし。神代よりして、さるかざしとなりけん、いみじうめでたし。もののさまもいとをかし」と。

 西行
(1118-1190)『山家集』に、

   むらさきの 色なき比
(ころ)の 野べなれや かたまつり(片祭)にて かけぬあふひは
     
(齋院おはしまさぬ比にて、まつりのかへ(帰)さもなかりければ、
      
むらさきの(紫野)もとほ(廻)るとて)

 『新古今集』に、

   いかなればそのかみ山のあふひ草としはふれ共二葉なるらん
(小侍従)
 
 江戸幕府の徳川家は、三河国加茂の出であることから、京の賀茂にあやかりフタバアオイを紋所にした。ただし、双葉葵では不敬ということから、実在しない三つ葉葵にした、という。
 中国では、全草を薬用にする。『全國中草藥匯編 上』p.43

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